真言宗善通寺派

 この宗派は、弘法大師を宗祖とする。宗祖は延暦23年入唐して長安青竜寺の恵果阿闍梨から、法身直説の真言密教を稟承し、帰朝の後、大同2年、平城天皇の勅錠を承って立教開宗し鎮護国家、済世利人を宗旨とした。第三祖源仁、その法燈を理源大師と本覚大師に伝え、両門葉から小野と広沢の二流を生じ、更に各六流を出し、これを野沢根本十二流と称する。

 この宗派は、小野派開祖仁海僧正を以て流祖とし、その第五世増俊阿闍梨所伝の随心院流を相承して現在に至っている。明治初年、宗教制度の変遷に伴うて、宗派の形体に幾多の変更があったが明治40年単称真言宗の解体によって、真言宗小野派となり、昭和6年真言宗善通寺派と改称した。昭和14年宗教団体法の施行により、新古各派と合同して、単称真言宗を設立したが、昭和21年解体して十派に分れた。

 ここに、この宗派は、本末関係を主体とする封建的宗派構成を解消し、寺院及び教会の独立と自由を保全し、寺院及び教会が相互に平等の権利を有し、義務を負う組合組織を以て宗派を構成し、流派を超えて宗祖法燈の下、一味の宗体を具現し、真言宗と改称した。然るに、昭和33年、真言宗各派総大本山会が発足し、新古各両派の十八本山が互に協調して、後七日御修法はじめ各種の事業を行うようになり、昭和47年7月、名称を真言宗善通寺派と改称した。これを由緒沿革の大要とする。

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